たばこについて

たばこは百害あって一利なし

吸う人も吸わない人も、たばこの害について、よく知っておきましょう。

たばこの害について、どのくらいご存知ですか?

日本人の死因の第1位はがんですが、たばこは多くのがんの発症にかかわっていることが調査結果でも明らかになっています。狭心症や心筋梗塞、歯周病、骨粗しょう症、老化の促進、さらに生まれてくる子供への影響・・・。あげればきりがないほど、体への害をもっていることが指摘され、まさに“百害”のもと。だからこそ、たばこの害について多くの知識をもち、自分なりに考えて行動することが必要なのです。

非喫煙者の死亡率を1としたときの喫煙者の死亡比(男)

咽頭がん 3.3倍 喉頭がん 32.5倍
食道がん 2.2倍 肺がん 4.5倍
胃がん 1.5倍 すい臓がん 1.6倍
肝臓がん 1.5倍 膀胱がん 1.6倍
全がん 1.7倍    

平山 雄による計画調査(1966~82)

たばこの有害物質

たばこの煙には4,000種類もの化学物質が含まれていますが、そのうちの200種類以上は有害成分であり、40種類以上に発がん性があることが証明されています。
代表的な有害成分といえばニコチン、タール、一酸化炭素が有名ですが、その他に、ベンツピレン、フェノール、カドミウム、クレゾール、窒素酸化物、シアン化水素、ニトロソアミン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、アンモニアなど、日頃よく目や耳にする有害物質がたばこ煙からも検出されています。

* ニコチン・・・ 血圧を上げたり心拍数を増やして心臓に負担をかける。血糖値を上げる可能性も。
* タール・・・・ 発がん物質が多く含まれ、肺やのど、気管などのがんの原因に。また、肺機能を低下させる。
* 一酸化炭素・・・・ ヘモグロビンと結びついて血液が酸素を運ぶのを妨げるため、心臓の負担が大きくなる。

副流煙

たばこの有害物質は、周囲に流れる煙のほうが、より多く含まれます。 吸い込む煙はフィルターを通していますが、漂う煙はフィルターを通さないため、有害物質がそのまま漂うからです。 そうした煙の成分には、発がん物質を50倍近くも含むものもあり、周囲の人の健康も脅かしていることを頭に入れて、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

受動喫煙(不本意喫煙あるいは強制喫煙とも言われます)の健康影響として、成人では肺がん、呼吸機能障害、冠動脈疾患など、胎児に対しては流産・早産・死産、低体重出生児など、新生児・幼児・小児に対しては乳幼児突然死症候群、中耳炎、気管支炎・肺炎、喘息などが知られています。 これらは、WHOをはじめ多くの医学専門機関や欧米先進国の行政当局が公式見解として発表しているところです。 なかでも、非喫煙妻の肺がんリスクは夫の喫煙によって上昇するという内容の、80年代初めに出されたわが国の調査結果は、世界的に大きな反響を呼びました。 その後諸外国からも同様の報告が相次いでいます。

たばこ依存症

『たばこ依存症』とは、たばこは健康に悪いとわかっていてもやめられない、たばこなしではいられない等、精神的な依存が深く強い症状をいいます。 厚生労働省の調査では、喫煙者の約5割近い1,800万人もの人が『たばこ依存症』であると発表。早い時期にたばこを吸い始めた人ほど依存症になりやすいと報告しています。

あなたのたばこ依存度チェック!!

質問 回答 得点
1 起床後、何分で最初の喫煙をしますか? 5分以内
6~30分以内
31~60分
61分以上
3点
2点
1点
0点
2 寺院や図書館、映画館など、喫煙を禁じられている場所で禁煙することが難しいですか? はい
いいえ
1点
0点
3 1日の喫煙のなかで、どれが1番止め難いですか? 朝、最初の1本
その他
1点
0点
4 1日に何本吸いますか? 31本以上
21~30本
11~20本
10本以下
3点
2点
1点
0点
5 他の時間帯より、起床後数時間に多く喫煙しますか? はい
いいえ
1点
0点
6 ほとんど1日中、床に伏している病気の時にも喫煙しますか? はい
いいえ
1点
0点

あなたのたばこ依存度

(「ファガストロームたばこ依存度テスト」による)

あなたの合計点数 点 
【依存度低い】 0~3点
【依存度普通】 4~6点
【依存度高い】 7~10点

禁煙

禁煙前の準備

①きっぱり止める決心をする
禁煙するためにはいろいろな方法がありますが、次第に本数を減らす方法(減煙法)は楽なようですが、きっぱりとやめる方法(断煙法)の方が禁煙による苦痛(離脱症状)の期間を短くできて、成功率が高くなります。
②禁煙開始日を決める
離脱症状を克服するためには、忙しくなくストレスの少ない時期を選びましょう。
③仲間を見つける
身近な人と一緒に禁煙を実行することにより、離脱状態で苦しい時にはお互いに励まし合うことができます。
④動機の確認
「健康のため」「肩身の狭い思いをしないため」など、禁煙をする動機を自分なりに確認して実行にうつしましょう。
⑤計画を変更しない
「やっぱり明日から」「一週間延ばそう」などと自分を甘やかさないで、とにかく実行してみましょう。

禁煙の実行

①環境整備
たばこに関するものを身の回りからなくしましょう。
②離脱症状への対処
禁煙して6時間経過するころから様々な離脱症状が現れてきます。
 ◎たばこが吸いたい・・・水を飲む、深呼吸、ガムをかむ、軽い運動
 ◎イライラする、落ち着かない・・・深呼吸、リラクゼーション
 ◎頭痛・・・足を高くして、あお向けに寝る
 ◎体がだるい、眠い・・・睡眠を十分とる、軽い運動
③たばこに近づかない
喫煙者にはなるべく近づかない。
④失敗してもくじけない
我慢できなくなって、1~2本吸ってしまうことがあっても、禁煙の志を捨てずにとりあえず5日間がんばってみましょう。

禁煙の維持

禁煙に成功しても、油断はできません。 まず、3ヶ月間は要注意で、再び喫煙を始める可能性がとても高く、6ヶ月間でほぼ成功、1年間続けば成功といえます。

まとめ

実際には1度で禁煙に成功する人は少ないのが現状です。 禁煙に失敗してしまったのは、その人の意志が弱いからではなく、ニコチンの依存性が強力だったからです。 失敗してしまった人は『ニコチン置換療法』を試してみるとよいでしょう。 一度失敗しても諦めず、何度挑戦しても構わないので、何度でも挑戦しましょう。 挑戦しない限り、禁煙には絶対成功しないのです。

ニコチン置換療法

ニコチン置換療法とは、喫煙以外の方法で体内に少量のニコチンを吸収させることにより、禁煙時の離脱症状を軽減させ禁煙を容易に行わせる禁煙補助剤または、禁煙補助役を使った禁煙方法です。 喫煙時と同じようにニコチンを体内に吸収させますが、喫煙時に吸収するニコチンより少量で、かつゆっくり吸収されます。 尚、たばこにはニコチン以外にも有害物質が含まれていますが、禁煙補助剤にはニコチン以外の有害物質は含まれていません。

①ニコチンガム製剤
ニコチンガム製剤は、たばこを吸いたいと思った時に口のなかに含み、30分から1時間かけてゆっくりとかむことにより口腔粘膜からニコチンを吸収することができ、禁煙時の離脱症状を軽減させるための禁煙補助剤です。 薬局で買えます。使用方法は薬剤師からよく聞きましょう。
②ニコチンッパチ
医師の禁煙指導を必要としますが、皮膚に貼ることにより喫煙することなく安定して血液中ニコチン濃度が維持でき、ニコチン離脱症状を抑えることができます。

喫煙マナー

ここ最近、たばこに関して様々な法律や条例が制定されました。 健康のためには当然ですが、喫煙者のマナーの悪さからたばこを排除する動きがあったことも事実ではないでしょうか? たばこの煙は喫煙者と同じ空間にいる人(動物にも)に、様々な健康障害を引き起こします。 喫煙する時は、次のようなことに気をつけましょう。

宇部フロンティア大学短期大学部 保健室

TEL:0836-38-0517(直通)  MAIL:hoken@frontier-u.jp